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「それで」
翼に話を促す彪兎はどこか楽しそうな表情を浮かべていた。
「まさかそれだけ言う為に俺を連れてきたとか言わないだろう。翼が隠してる『何か』の話か…」
翼はゆっくり全てを話し始めた。
荒れ果てた家にもかつては人が住んでいたのだと、諭すようにゆっくりと、ブレない芯のある言葉が紡がれる。
しかしながら彪兎は最初とは対照的に話を聞くにつれて、徐々に興味を無くしていった。
翼の口から発せられる単語は彪兎にとって魅力的でひどく興味をそそるモノであったのに…
コンクリート
子供
殺人
連続猟奇殺人事件に関係の深い人間が彪兎の目の前に立って居るのに彪兎は余りにもつまらなさそうな表情をしていた。
「俺と翼は同類なんかじゃない」
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