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――――――――――――…‥
「…んん……あ」
僕は目を覚ます。
一つ欠伸をして立ち上がった。
「あ、あれ?」
目をこすり、辺りを見回すと途端に頭が覚醒する。
「ここ、どこですか?」
見慣れない場所に僕はぽつりと立っていた。
なんだか知らないがネズミが二足歩行をしているし、薔薇がぐにゃぐにゃと枝を伸ばしている。
まぁなんと非現実的な場所なのか。
僕は茫然とした。
昼寝をする前は、確かに自宅の中庭にいた。
しかし目を覚ましたら、全く知らない土地にいる。
意味が分からない、頭が混乱して何をどうしたらいいのか見当もつかない。
「あー…、分かった。これは夢だ、夢に違いない」
僕は頬を強くつねってみる。
痛い、痛すぎるくらいにつねるが、目が覚める気配はない。
「ゆ、夢じゃないのか…?」
少し腫れた頬を撫で僕が肩を落とすと、遠くから声が聞こえてきた。
それはこちらに近づいてくるようだ。
声のする方に顔を向ける。
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