え、僕が主人公!?

4/7
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
――――――――――――…‥ 「…んん……あ」 僕は目を覚ます。 一つ欠伸をして立ち上がった。 「あ、あれ?」 目をこすり、辺りを見回すと途端に頭が覚醒する。 「ここ、どこですか?」 見慣れない場所に僕はぽつりと立っていた。 なんだか知らないがネズミが二足歩行をしているし、薔薇がぐにゃぐにゃと枝を伸ばしている。 まぁなんと非現実的な場所なのか。 僕は茫然とした。 昼寝をする前は、確かに自宅の中庭にいた。 しかし目を覚ましたら、全く知らない土地にいる。 意味が分からない、頭が混乱して何をどうしたらいいのか見当もつかない。 「あー…、分かった。これは夢だ、夢に違いない」 僕は頬を強くつねってみる。 痛い、痛すぎるくらいにつねるが、目が覚める気配はない。 「ゆ、夢じゃないのか…?」 少し腫れた頬を撫で僕が肩を落とすと、遠くから声が聞こえてきた。 それはこちらに近づいてくるようだ。 声のする方に顔を向ける。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!