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相田の声で、我に帰る。
「ごめん、ぼーっとしてた」
「そうか……。もう着くよ」
傘越しに聞こえる相田の声が、どこか僕を気遣っているような気がして……また、雨音が強くなった。
会場に到着すると、クラスメートは既にそれなりの人数が集まっていた。
みんなが静かに何かしら言葉を交わすのを聞きながら、僕はずっと下を向いて、水溜まりもよけずに歩いたせいでぐしょぐしょになった自分のスニーカーが、とても惨めだなぁなんて、そんなことを思っていた。
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