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俯きながら、クラスメートの群れをそっと横目で見る。
彼女の葬儀にはクラスメートは全員出席、ということになっていた。でも、もう式は始まるというのに、来ていない奴も何人かいた。
「今日バイトあるから行けねーわ」
と、言っていた八木の顔が浮かぶ。
…………。
…………なんなんだ。
僕は……どうやら憤っているらしかった。
八木に。彼女の葬儀に顔を出すこともしない彼らに。
そりゃあ来ない奴もいるだろうさ。
頭では分かっていても、心はそう簡単に承知しちゃくれない。
自分の腹の底に溜まっている感情を、怒りと呼んでも差し支えない感情を、どうすることも出来ずに僕は、
もうすっかり癖になったそれを、自分の部屋でしかつかないようにしている深い溜め息を、初めて人前で吐き出した。
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