雨の話

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   別に、僕が自分で立候補したわけじゃない。担任の先生に頼まれたのだ。    さっきも言ったように、クラスで彼女と会話を交わすのは、本当に僕しかいなかった。  彼女には、クラスメートとの関わりを避けている節があった。  先生も、彼女が誰かと言葉を交わしているという珍しい(と言ったら、失礼かもしれないが)光景をいつか目にして、僕に頼んできたのだろう。  断る理由も無かったから、僕はそれを承諾したという訳だ。  
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