彼女の話

2/10
前へ
/79ページ
次へ
   まず思ったのは、意外にはっきり喋るなぁ、ということだった。  高校二年になって一週間ほどが過ぎ、新しいクラスに馴染んできた頃である。  人間社会とは、個々人それぞれの役割があって成り立っている。というわけで、我が二年七組でも当然のことながらクラスの役割決めが行われた。  競争率の高い楽な係を決めるじゃんけんで見事負けた僕は、結局、新聞係などという面倒極まりない役割を与えられてしまった。  
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加