『第一章』

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職員室に着くと、吉永先生は私にコーヒーを淹れてくれた。 「大丈夫ですか?最近学級崩壊がひどくて…、美和先生も大変ですね…」 「でも、自分で選んだ仕事ですし…、頑張れるところまでは頑張りたいんです…」 「美和先生…、あなたって人は…、ほんとに…」 吉永先生は、優しく微笑んだ。 「だから気になるんでしょうかね。美和先生のこと…、」 「え?」 「あっ、いや、何でもないです。とりあえずコーヒー飲んだらゆっくり休んで下さい。 次の時間、美和先生は休憩の時間でしょう?」 「はい…、ありがとうございます…」 私はちょびっとコーヒーをすすった。 からだが暖まっていく。 癒されていくのがわかった。 「じゃあ僕はもう行きますね。」 私は返事のかわりに頷いた。それを確認すると吉永先生は職員室からでていった。 「うーらーやーまーしーいー!」 「わっ!?あ、なんだ山田先生…。イキナリで驚きましたよ…」 「あの吉永先生に淹れてもらったコーヒー…、私にもよこしなさいなっ!」 「いっ、いやですよ?!」 「キーッ!あのイケメンの吉永先生に…。なんでなんでーーっ!?私なんか挨拶しても介錯される程度なのにぃっ!」 その迫力のせいじゃ…、私は言いたかったが、そこは堪えた。 「ぐうぜんですよ。ぐうぜん。気にしないで下さいね」 「ぐうぜん…か、私にはぐうぜんも起こらないって言いたい訳?」 「や、そういう訳では…」 「ふんっ!次、私の授業だから私は行くわ。」 やっぱり迫力がパないっス…、山田先生…。 私は密かにそう考えていた。 「はぁーーっ…、髪の毛、美容院に行くしかないよなぁ…」
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