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職員室に着くと、吉永先生は私にコーヒーを淹れてくれた。
「大丈夫ですか?最近学級崩壊がひどくて…、美和先生も大変ですね…」
「でも、自分で選んだ仕事ですし…、頑張れるところまでは頑張りたいんです…」
「美和先生…、あなたって人は…、ほんとに…」
吉永先生は、優しく微笑んだ。
「だから気になるんでしょうかね。美和先生のこと…、」
「え?」
「あっ、いや、何でもないです。とりあえずコーヒー飲んだらゆっくり休んで下さい。
次の時間、美和先生は休憩の時間でしょう?」
「はい…、ありがとうございます…」
私はちょびっとコーヒーをすすった。
からだが暖まっていく。 癒されていくのがわかった。
「じゃあ僕はもう行きますね。」
私は返事のかわりに頷いた。それを確認すると吉永先生は職員室からでていった。
「うーらーやーまーしーいー!」
「わっ!?あ、なんだ山田先生…。イキナリで驚きましたよ…」
「あの吉永先生に淹れてもらったコーヒー…、私にもよこしなさいなっ!」
「いっ、いやですよ?!」
「キーッ!あのイケメンの吉永先生に…。なんでなんでーーっ!?私なんか挨拶しても介錯される程度なのにぃっ!」
その迫力のせいじゃ…、私は言いたかったが、そこは堪えた。
「ぐうぜんですよ。ぐうぜん。気にしないで下さいね」
「ぐうぜん…か、私にはぐうぜんも起こらないって言いたい訳?」
「や、そういう訳では…」
「ふんっ!次、私の授業だから私は行くわ。」
やっぱり迫力がパないっス…、山田先生…。
私は密かにそう考えていた。
「はぁーーっ…、髪の毛、美容院に行くしかないよなぁ…」
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