百歳塚(ももとせづか)

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「…それにしてもよく寝た。あっそうそう!これこれ、湯湯婆(ゆたんぽ)」  宿のおばぁちゃんが 「…ここさぁ冷えっからぁ」 って布団の中に入れてくれた。 『アナログ的なぬくもりって…いい』 「こんな山奥(やまおぐ)さぁ~娘っごひどりでぇ」 「こちらは、民宿ですよね?」 「んだよー」 「予約ないですけど…宿泊させていただけないでしょうか?」 「ああ、ええよええよ。ほれ!じぃさま。タオル!さぁへぇれ【入れ】。しばれるっけ【寒いだろ】?ああもう、こんなに雪っこ…」 「…どうするんだろう?…私」  涙が自然に溢れて、止まらない。
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