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「桃香っ!!私とメールでやり取りしてた頃、どーやってた?!」
「え?なに、いきなり…」
「ここってば圏外ばっかじゃん!!どこなら電波あるの?!」
「へ?あぁ…丘の上の展望台あるでしょ?あそこならちゃんと届くよ。」
「丘の上の展望台って…片道40分はかかるあの…?」
「うん、そう。」
「…………。」
ありえねぇええっ!!!
何、ここ?本当に地球?外国とかじゃないよね?え、なんで?こんなとこが日本にあるの?てゆーか、あっていいの?
「キョンちゃん?」
「あ、あぁ…ごめんごめん。ちょっと考え事してただけ。」
見上げてくる桃香の顔はやっぱりかわいくて…
くそぉ、癒やされるーっ!!!!!
(それにしても……)
今日は引っ越し祝いだからって、お母さんもお父さんも早く帰って来いって言ってたから19時には戻んなきゃだし…
だからって今はもう、17時だし展望台まで行ってたら往復で帰ってくんの18時半…すっごいギリギリ。
(どーしよっかなぁ…ダッシュすれば間に合うかなぁ?でも遠いしなぁ…)
「どうしたの?キョンちゃん。」
「あのさ…この街の人たち、どうやって連絡取ってんの?」
「??基本、電話だよ?」
「携帯とかは…」
「繋がる場所が少ないから、ほとんど誰も持ってないよー。昔からそうだったでしょ?」
「言われてみれば…」
誰一人、携帯片手に歩いてる奴なんていなかった…
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