プロローグ

2/2
前へ
/114ページ
次へ
小学生の頃から大好きな女の子がいた。 笑顔のかわいい子だった。 田舎みたいなところだったからかな? 彼女が輝いて見えてた。 いや、確かに美人でかわいかったんだけどさ。 おとなしそうに見えて案外やんちゃな所もあって、意外と男勝り。ちっちゃいとき、私の大好きだった人形を壊した男の子にケンカふっかけたこともあったっけ。 そんな彼女に告白したのは中学に入ってすぐくらい。まだ桜が咲いてたっけ… 返事はまさかのOKで、嫌われるのを覚悟してた私には嬉しすぎる展開だった。 けど、付き合うって言ってももとから仲の良かった私たちは特に変わりなく、ただ一緒にいただけ。 今思うと、私も彼女も友情の“好き”と恋愛の“好き”を間違っていたのかも知れない。 そんな私たちの関係は、中学2年生に上がる時、私の転校であっけなく終わった。 最初は手紙とかメールとか頻繁にしてたけど、次第に回数はどんどん減っていき、今はもう連絡なんて取ってない。 …てゆーか、めんどくさがりやの私じゃ手紙なんて続かなかったし。メールがあればいいって思ってた。 だけど、桃香からのメールはいつも決まって17時から19時までの間だけ。私がどれだけメールを送っても、返事は必ずその時間帯。 酷いときは2、3通で終わったときだってあった。 私は新しい生活に慣れて楽しかったし、きっと彼女もそうなんだって、気にも止めてなかった。 新しい学校では彼氏もできて、本当に充実していた。 なのに今更またここに戻ってくるなんて…
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

554人が本棚に入れています
本棚に追加