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「…??どうしたの、キョンちゃん…私の顔にまだなんかついてる?」
「ん?」
私の視線が気になったのか、桃香が不思議そうに尋ねてくる。
「桃香はかわいいなーと思って。」
「きっ…急に何?!」
真っ赤になった顔を両手で隠す桃香。
「クスッ、桃香が聞いてきたんだよー。」
「そ、そうだけど…。なんか最近のキョンちゃん変だよっ…」
「そう?」
「うん…すぐかわいいって言ったり頭撫でたりしてくる…」
「そっか…。じゃあ、もうかわいいって言わないし、頭も撫でないよ。」
「えっ…それはヤだっ」
本当に慌てたのか、涙目になりながら見つめてくる桃香。
「クスクスッ、かわいいなぁ桃香は。ほら、早く食べないと…溶けてきてるよ?」
「わわっ!本当だっ!」
必死に食べだす桃香は相変わらず、めちゃくちゃかわいい。
ボソッ
「私が男だったらな…」
「へ?キョンちゃん、なにか言った?」
「んーん、何もないよ。」
私がサンドイッチに手をつけると、桃香も“そう?”と、不思議そうにしながらもパフェを食べ始めた。
(私が男だったら…)
男だったら、周りから恋人同士に見えたりするかな?桃香も、もっと私のこと意識してくれたかな?
桃香とのこの距離は私たちが友達だから。私がもし、また告白なんてしたら、きっともうこの関係も終わってしまう。
できるだけ…可能な限りでいい。
桃香ともう少し…この近い距離のままでいたい。
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