先輩

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私たちはファミレスを出て、ショッピングすることにした。 桃香はあの街からはじめて出たらしく、思った以上にはしゃいでいた。 「ねぇねぇ、キョンちゃん!」 「な、なに……」 そして私はそんな桃香に振りまわされてくたくたになっていた。 「見てこれ!すっごくかわいいよ!」 「どれ……」 桃香が手に取っていたのはクローバーのストラップだった。…それも、カップルで持つやつ。 「これいいなぁ…。でも二つも同じの要らないよねー。色違いだけど…」 (もしかして…桃香ってば知らないの?) 「ね、ねぇキョンちゃん…」 「ん?」 「ちょっと…お手洗い……」 「あぁ…すぐそこにあるよ。桃香、一人で行ける?」 「うんっ、待っててね!」 (あっちにはこーゆうのもなかったっけ…) 「ねぇ、これ買ってよー。お揃いで持とうよー。」 「えー…そういうの苦手なんだよなぁ…」 「いいじゃんーっ」 うわぁ…なんかうざそうなカップルきたし… 「そーゆうのって、如何にも付き合ってますって感じするじゃん。だから苦手なんだよね」 え…この台詞って……
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