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部屋へ入ったと同時に、私は携帯を取り出す。
(えーっと…)
――――――――――――
とおる先輩
ーーーーーーーーーーー―
先輩っ
今、新しい家に着きました
先輩とは離れて生活するの
は寂しいけど…
こっちでも頑張ります!
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「…こんな感じでいいかな?」
よし、送信っ!!
…って、あれ………?
「ちょっ…何ここ!!圏外じゃん!!!ふざけんなぁーっ!!!!!」
携帯があるから遠距離でも大丈夫
…なんて甘い考えだった。
まさか地球上に電波の通ってない場所があるなんて…
おそるべし、田舎。
「私が携帯持ったのって転校決まってからだもんなー。こっちで携帯使ったことないから電波ないなんて思わなかった…。」
なんでこんな所に帰って来なきゃいけないんだ…
「もう、ほんと最悪。」
家中、電波の届く場所を探したけど、結局見つからなくて、私は先輩に連絡できないまま夜を迎え、そのまま眠った。
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