農業革命

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 「コメモ~ヤサイモ~アメリカカラタクサンユニュウシナサ~イ」  アメリカ大統領からの直通電話だ。  「アイアムケン!ジスイズペン!」  山田ははっきりNOをつきつけた。  「チュウゴクカラモタクサンカウアル~」  電話を切るやいなや今度は中国国家首席。  「ニイハオ!ニイハオ!」  考えておくから待て。山田はそう伝えた。  日本の食料事情は大変深刻である。実際かなりの割合を輸入に頼らざるを得ない現状だ。  そこに付け入るように外国からはもっと輸入しろと連日連絡が入っている。  なんとか、なんとかしなければ。山田は日々悩んでいた。日本の農家を潰す訳にはいかない。 いや、それよりも現状ではもし輸入が止まった場合、多くの国民が飢えることとなる。それを回避する為には…  山田は一つの決断を下すことにした。呼びつけた閣僚達に向け、山田は宣言する。  「非常事態宣言を出せ!自衛隊を緊急召集しろ!」  突然の宣言に戸惑う閣僚の姿を見て山田は一人心の中で呟いた。  「例え俺の名前が悪いように歴史に残ろうとやらねばならぬ。これはこの国を救う為の革命なのだ。」
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