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「ねえ、起きてよ。遊び行こうよ」
仕事で疲れ果てて怠い身体を強引に揺すられ、俺はひどくイライラした。その苛立ちを何とか抑え込むために女の後頭部を掴み、唇を押し付ける。
小さく声を漏らした彼女、彩とのキス。特に何も感じないのは俺がおかしいからなのか。
唇を離すと、彩はさも満足気に八重歯を見せて笑った。
「起きた? ほら、行こ。はやく準備してよ、昴」
彩とは、2ヶ月ほど前にライブハウスで知り合った。すらりとしたバンビのような足と綺麗な顔立ちに惹かれ、何となく声をかけ、その日のうちにホテルまで行ってしまった。
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