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green
隣人を抱きしめる腕は細く蠢き
あらゆる障害を飲み込みながら広がる
「君を愛してみせようか」
笑った顔は見れなかった
離れぬよう棘を食いこませ
溢れた雫を愛と呼び
笑う声はささやかで
ここはこんなにも穏やかだった
王子様が剣を振りかざしても
死なないのに、無駄な努力
奥へ入り込めば
もう二度と出られないと言ったのに
助けてほしいなんて言ってない
思ってはいるけれど
それでも叫んで突き離せば
緑に呑まれる事もないでしょう
むせかえるような花の香りの中
瞳を閉じて今日を捨てる
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