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red
ヒールを鳴らして街を歩く
ひるがえしたスカートの中にハサミ
ナーサリーライムを歌いながら
長い足をばたつかせ
唇に塗った真っ赤なルージュ
その正体は――
十九世紀イギリスロンドン
娼婦の腹を裂き
石畳に真っ赤なペイントを作り
振りまわすハサミ両手に
肉の痛みを奏で
リッパーは今日も夜を往く
歩いた後に転がる死体見向きもせずに
コルセットでは狂気を抑えられず
笑みを乗せた唇を指でなぞって
真っ赤なルージュが新しく引かれる
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