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──だけど、さ。
奏乃に嫌われても、どうしても諦めることは出来なかった。
どうしてこんなにも奏乃に惹かれるのか。
オレはストーカー状態で奏乃に見つからないようにこっそりと見守った。
あいつはずっと、絵を描いていない。
絵を描くのを辞めたらキスするぞって脅したのに、やっぱりあの時、遠慮しておでこじゃなくて口にキスをしとけばよかった。
「──やりてぇ」
われながら、最低だ。
輪が聞いていたら天使の笑みを浮かべて『僕がレクチャーしてあげるよ』なんて言うんだろうな。
世の中には他にも女がいるのに、ここまで執着するのもどうかと思うよ。
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