二*ラブレターとアントニオ

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 それからのわたしは、特に土井先輩と接近する機会はなくて、遠くから見つめるだけだった。  そういう子はわたしだけではなくて結構いるから、別にわたしが特殊だとかおかしいってことはない。  ただ、遠くから眺めているだけで幸せだった。  でもそうは思ってはいても、少しでも仲良くなりたいと心の片隅で願ってはいた。  きっかけがあればいいのに。  わたしはただ、そう願うだけでなにか行動に移そうとしてなかった。
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