四*練習試合

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 ゲーム時間の後半になり、巡の動きがいきなり、良くなった。  それまで遠慮があったのか、様子を見ていたのか。  それは分からないけれど、赤チームが持っていたボールをカットして、そのままの勢いでドリブルを始めた。  赤チームが巡のボールをカットしようと迫ってくるのだが、これがまた面白いように翻弄してかわしていく。  巡はいつの間に練習をしたのだろうか。  青チームのゴール前だったはずなのに、あっという間にフィールドの真ん中を抜け、赤チームのゴールの手前までやってきていた。  そのままシュートをするのかと思ったら、少し前にいた同じチームのフォワードにパスをした。  その人は受け取ると素早くシュートをした。  赤チームのゴールキーパーが腕を伸ばす。  ボールに触れそうになりながら、腕の間を通り過ぎ、白いネットを揺らした。 「やった!」  わたしは思わず、小さくつぶやく。  これで一対一になった。
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