177人が本棚に入れています
本棚に追加
『痛くない、大丈夫?』
と優しく声を掛けてくれ、よく頑張ったなと優しく頭をなでてくれた。
わたしはもう、恥ずかしくて顔を上げられなくて、うつむいたまま、
『ありがとうございます、すみません』
と口の中でもごもごとお礼を告げた。
下を向いたわたしの視界にはその人の履いている上履きが見えた。
かなり薄汚れた色をしていたけど名前は読み取れて、「土井」と書いてあった。
『今のは残念だったけど、場を盛り上げてくれたから、キミが一位だよ』
と慰めなんだかどうだか分からない言葉を付け加えてくれた。
悔しい気持ちが大きかったけど、わたしはその一言にずいぶんと気持ちが楽になった。
最初のコメントを投稿しよう!