五*文化祭

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「思ったより出てるから、追加で買いだしに行かないとなくなっちゃうわね」  なんて裏で話をしている。 「じゃあ、おれが行ってくる」 「うん、よろしくね」  わたしが次に担当する時間は、文化祭が終わる一時間前。  それまでにどこかで体力を回復しよう。  エプロンを取り、かばんに詰め込んで美術室に避難することにした。 「あ、下瀬さん」  バックヤードから出ようとしたら、声を掛けられた。 「人手が足りないから、手伝ってくれない?」  あの人のすごさを知っているだけに、嫌だなんて言えない。 「お昼を食べたら戻ってくるで……いいかな?」  少し休憩を入れないと、ばててしまう。 「あ、ほんと。助かった。それでいいよ。じゃあ、よろしくね」  にっこりと微笑まれ、やっぱり嫌なんて言えない。  ぐったりとしながら美術室へ向かい、少し時間は早いけど、端っこでお昼を広げて食べる。  なんであんなに賑わっているのだろう、そんなことを思いながら、わたしはお昼ご飯を食べた。
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