一*爽やかな季節の中、想いは募る

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 次に会ったのは、科学室の場所が分からなくてうろうろしている時だった。 『どうした、迷ってるのか?』  と声を掛けてくれて、科学室がどこにあるのか聞いたら親切にも部屋の前まで連れて行ってくれたのだ。 『ありがとうございます』  と頭を下げたとき、入学式の後の歓迎会の時に見た同じ上履きが見えて驚いた。  慌てて頭を上げて顔をしっかりと見ようとしたら、その人はもうわたしに背中を見せていた。  引き止めようかと思ったけどチャイムが鳴り始めたので、諦めた。  それからその人のことが気になって、巡に相談した。  巡はめんどくさそうに、しかも乗り気ではなかったのにもかかわらず、「土井」さんが何者であるのかすぐに突き止めてくれた。
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