第一章 「…過去…」

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第一章 「…過去…」

今頃君もどこかで~♪ Janne Da Arcの桜が部屋に鳴り響いている…毎朝のアラームだ。 龍耶「こんな歌、アラームにしていつまで引きずってんだよ…もう三年…いや今日で四年か!アイツに美波と別れさせられてから、ったく最悪の誕生日だったぜぇ…」 俺の名前は楢島龍耶、今日で25才になるのにまだ定職に就いてないダメな野郎さ… 政秋「フゥ~!!スッキング☆龍耶、煙草貰うな?…はぁ~!やっぱ風呂上がりの一服は格別やね♪」 今、目の前でバスタオル一枚で煙草を吸ってるのが高校からの戦友、山下政秋…タメのクセに小さいとは言え建設会社の社長をやっている。 コイツがいたから今の俺がある、コイツとは沢山の事を共に乗り越えて来た!!沢山笑い沢山傷つけ合ってここまで来た。 政秋「今日、お前の誕生日だよな!?早めに上がって遥那に美味いモン作らせて待ってるからバイト終わったら来いよなぁ?」 遥那とは政秋の妻で俺の高校の時のバイト先の同僚でもある 、小谷遥那の事である。 龍耶「あんがちょ♪遥那と仲良くやってんのかよ!?…って大丈夫か!!お前、遥那の事大好きだもんなぁ!?」 政秋「当たり前やろ!?お前と二人で身体も心もボロボロになってやっと結婚できたんだからなぁ♪そんな思いまでして大切に出来んかったら俺は今度こそ最悪やな…おっと!もうこんな時間だぁ!!!俺、もう行くな!?じゃあ、またあとでなぁ★」バタバタ… せわしく部屋を出る政秋… ガチャン!!! 政秋「アイツ、まだ美波ちゃんの事引きずってんのかよ!?ったく俺がもっと早く気づいてやれば!!あんなヤクザもどきくらい何とかしたのに… 頼むぜぇ、元副頭さんよ!!!」 龍耶「やっと居なくなったかぁ…アイツの声は朝から響くんだよ!! …美波?今日は俺の誕生日だよ!?ってお前はそんな事もう忘れたよな!?今や日本を代表する歌姫になって毎日きっと忙しいよな!?…俺とはもう住む世界が違うのは分かってるケドまたお前に会いたいよ!あの日離した手を今度はしっかり握って二度と離さないから戻って来てくれよぉ!!!…もう俺にはそんな資格ないかな?」 ポタ…ポタ…… 龍耶の涙が床に落ちる音と龍耶の声が部屋中に響き渡る。 龍耶「畜生!!何やってんだよ!俺は…惚れた女一人、守れないで何が山下会副頭だよ!? 何がダチの為なら命張れるだよ!?…バッカァじゃねぇの?美波…ごめんなぁ?俺らもうダメなのかな!?会いたいよ…」
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