7.5℃

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こんなにも鮮明に憶えてた 葬ったはずの 触れた掌の温度、吐く息の白さ 乾いた唇が作り出す耳を塞ぐ言葉も 全てが終わりで 私は手放したのよ これがせめてもの強がりだから 名前を呼ばないでよ 振り向いてしまいそうに 震えた肩を最後だと言って抱いてよ この一瞬だけは 突然に振り下ろされる 舞い落ちた雪さえもが二人の距離を 隔てるようで 窓からすにかいた名前が 水滴に帰るまで 君の時間奪える事 小さな嘘と最後わがまま 溶けない雪は隠してくれたね
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