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ぴーんぽーん
「はーい。あら聡ちゃん」
「どもっす」
最初はすぐ隣のおばさん。子供達が自立してもうすぐ定年の旦那さんと二人暮らし。
なんでも旦那が居ない昼間が暇らしく、いつも逢うと嬉しそうにしてくれる。
今もにっこにこだ。
「どうしたの~?」
「おばあちゃんが送ってきたのでお裾分けっす」
「あらあらあらありがとうね~。お蜜柑?」
うーん、ちょっと違うけどどう違うかは分かり辛いな。
「えーっと、西洋蜜柑?」
「ああオレンジね。ありがとう、嬉しいわ~」
…あれ?なんか恥ずかしいぞ?
「聡ちゃん聡いわね~」
…恥ずかしい。悪い冗談だ。
「あ、そうだ。ちょっと待ってて」
そう言っておばさんは一度家の中に戻って、すぐに戻ってきた。
手には一つの缶詰を持っている。
「買ったは良いけど使わなくてね~。これ貰ってくれないかしら」
「はぁ…」
桃缶を手に入れた。てってれ~っと。
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