mission 1

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「おい!!!二等兵!!生きてるのか 死んでるのか返事をせんかぁ!! 」 揚陸艇の座席にぐったりと座るケンジ を、女性将校が乱暴に揺すっている。 (……誰だ?理不尽なこと叫んでるの は?) ケンジの乗っていた揚陸艇は、幸運な事に撃墜を免れていた。しかし、不時着の衝撃でケンジは失神していた。 「くそっっ!!起きろっっ!!」 《ゴスッ》 女性将校が放った蹴りがケンジの側頭部を捉え、突然の攻撃にケンジは目を覚ました。 「………ッ!!フレア隊長!?」 「やっと目を覚ましたか!このウジ虫が! サッサと装備を確認しろ! グズグズし ているともう一発お見舞いする ぞ!!」 「りょ、了解!!」 ケンジはフレア隊長の命令通り装備を確認した。 アサルトライフル、弾薬 アーマー。すべて異常なかったが、先ほどのフレアの一撃でヘルメットが少し凹んでいた 。 「異常ありません! 」 「よし!ウジ虫二等兵。名前は?」 「 はっ!ケンジ=北山二等兵であります!」 「 解った。ではクソ虫、現在の状況を説明する。」 (……名前 聞いたらクソ虫かよ……聞いた 意味はあるのか?つーか、ヘルメット凹んでるし。異常アリアリだし。) 「我々は 惑星アクアに不時着したものの、残念ながらこの揚陸艇の生き残りは私とクソ虫の二人だけだ。 しかし、他にも不時着した揚陸艇があるはずだ。よって、生き残りを集めて部隊を再編成 する。 次は地上戦だ! 解ったかクソ虫?」 「 了解しました。」 ケンジが揚陸艇内部を改めて見ると船の内壁には、内臓や髪の毛、ちぎれた四肢がへばりついていた……。 (うっ…みんな…酷い…。) 恐らくは、不時着した衝撃で絶命した 兵士のものだと思われる。 この状況で生き残った二人はかなりの強運の持ち主だった。
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