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ケンジ達の不時着した惑星アクアは、原始の地球をイメージして、テラフォーミングされ造られ た。
その目的は、地球での動物…絶滅種や 絶滅危惧種を守るための惑星規模の自 然公園にすることであった。
そのため、人工の施設はほとんど無い。
深い原生林、広大な海など、自然 に満ちあふれている。
ケンジ達の乗っていた揚陸艇が不時着したのは、その中でもサバンナエリア だった。
見渡す限り草原が広がるエリ アである煌々と照りつける太陽と、緩やかに吹 く熱風 。
それでいて静寂に流れる時間は、此処が戦場であることすら忘れさせる。
「ウジ虫。これを携帯しておけ。
それから目を離すな。何かあったらすぐ報 告しろ。」
「 了解。 」
フレアから渡されたのは携帯型のレー ダーだった。
レーダーの画面には、先ほどまで自分たちが乗っていた揚陸艇が 表示されていた 。
「今のところ、先ほどの揚陸艇意外の反応が ありません。 」
「了解だクソ虫。引き続き目を離すな。」
「 了解。 」
それから二人は一時間ほど草原を歩い ていた。
歩けども歩けども、味方の生 き残りどころか、敵も居ない。
満ちあふれる自然の中で、最新鋭の武装をした女性将校と、二等兵だけが此処が戦場であることを物語っていた。
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