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ケンジとフレアが惑星アクアへ不時着 してから三時間が経過。
二人は未だに当てもなくフラフラとサ バンナを歩き続けていた。
「 あ、隊長。」
「 反応があったか!?」
「 ハヒョッ。 一瞬だけですけど。」
フレアが大声を上げたので、ケンジは 驚いてかんだ。
ケンジの言葉を聞いて突然フレアの表情が変わる。ケンジもそれを見て状況が理解できた。
(……敵…だな…。)
二人は即座に身を低くし、アサルトライフルの安全装置をはずして臨戦態勢を取った。
「クソ虫。方位と距離は?」
「十時の方向、約300です。」
しかし見渡す限りの平原には敵影は見 あたらない。もちろん味方の兵士の姿 もない。
(誤作動なのか?もしかしたら動物に 反応したかもしれない。)
ケンジは思い過ごしかとレーダーに目を落とすが、再び反応が起こる。
…今度の反応は4つ。
「クソ! 同、方向距離に再び反応。……今度は4つです!」
「……最悪だ…。恐らく光学迷彩だ。目 を凝らせ。
さもないと気付いたときにはケツの穴 が二つだ。 」
光学迷彩とは、ガードリアンのバトル スーツ技術の一つである。光を屈折させて、装備者の姿を透明に するものである。
しかしシステムの原理自体が不安定なので、素早く動いたり、光学兵器の閃光などにより、迷彩効果が解けてしまう。非常にデリケートだが、その効果は絶大で、多くのUNSF兵士が犠牲になっていた。
「クソ虫。見えるか?」
「………。」
「クソ虫!無視をするな!」
フレアが鉄拳を振るおうとケンジの方を見ると、射撃体勢を取って狙いを定めていた。
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