1 殺人学校へようこそ。

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 少年は他の少年少女達がそうするように鉄格子に触れた。軽く力を込めるだけであっさりと開き、少年をこころよく迎え入れる。 「……帰りたい……」  三度溜息をついて、少年は観念したように中に入っていった。 <●><●><●><●><●>  少年のもとにその書類――正確にいえば学校案内のパンフレットが届いたのは昨年度の八月初頭の事になる。地元の高校への進学を目指してほどほどに勉強を頑張っていた少年は、その内容に眉をひそめた。  私立影焔学園。一部には有名な、選ばれた一握りの人間にしか入れない場所、らしい。どんなに金を積んでも、どんなに頭が良くても、学園側が求める「ある条件」を満たさなければ入学希望もあたわない。
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