1 殺人学校へようこそ。

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 少年は自他共に認める「一般人」だ。しかし影焔学園はそんな少年に入ってほしいなどと申し出てきたのだ。  入学料などは全て免除、数万円ほどの受験料さえ支払えば、あとは学園側が負担してくれるとか。そんなうさんくさい話、蹴ってやろうと思ったのに、気がつけばトントン拍子に全てが決まっていた。  詐欺や違法スレスレの商売には敏感な母までもが入学を勧め、押しに弱い少年は影焔学園に入る事になってしまった。本当に、地元高校に一緒に行こうと約束していた友達には申し訳が立たない。まだ小学校に上がったばかりの可愛い妹の面倒だってみたいのに。  決まってしまったものは仕方ない、と少年はタクシーを使って影焔学園にやってきたのだが――
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