オオカミさん達と鈍感少女

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~ドキドキ放課後補習タイム~ 私は夕日を見ている。場所は教室。時刻は午後3時。早く...帰りたい。 「和まないでとっととやりますよ。」 ただいま龍ちゃん先生の補習中です(泣)。 「先生問1わかりません。」 「どれどれ...。」 先生と2人っきり。しかも、問題用紙を見なくてはならないので顔が近い...。 「安藤さんの髪はいつも柔らかいですね。」 先生は私の髪を触る。触られ慣れてないので、ドキドキする。 「先生、生徒口説くの駄目ですよ。」 「そうですね。でも安藤さん思いませんか?」 「何がですか?」 「これは差別だと思います。」 「はい!?」 「だっていくら教師だからとて、人間には間違えありません。恋だってするだろうに、社会人だからというだけで一般的には、冷ややかな目で見られる。」 「それは、大人は子供を守る義務があるから何じゃないのですかね。よく...わかりませんが。」 「なるほどね。」 「そう思うと言う事は、先生誰かに恋してるんですか?。」 「してますよ。引きましたか?先生が生徒に恋する事。」 「いえ、別に引くことなんて何にもないですよ。むしろ、誰かが誰かに恋してるなんて素敵な事だと私は思います。」 「ふふ....。やはりあなたは可愛いですね。私の物にしたくなる。」 「先生...何言ってるんですか...?」 突然先生は私を抱きしめた。え?え?えっと...何が起きてるの?ドキドキしちゃうよ...。 先生は私を抱きしめたままそっと耳元でささやいた。 「来週数学の小テストがあります。あなたは普通に勉強していて下さい。私がまた、補習授業することを覚えておいて下さい。実は今回のテスト、点数は悪くないんですよ。」 「えぇっ!」 「もう私から逃げられないと思って下さい。」 「なにを...い、言ってるんですか...。」 「そうですね。今は、私はあなたを気に入りました。とでも言いましょうか。わかりました?小鳥さん。」 「は、はい。」 な、名前で呼ばれてしまった。耳元がさわさわする。ドキドキが治らない。惚れ病が今あったら、私はきっと気を失ってるに違いない。
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