2/6
前へ
/21ページ
次へ
僕の家は、北海道の富良野でペンションを経営している。 元々はおじいちゃんが経営してたんやけど、2年前、おじいちゃんの体の具合が良くない事を心配して、おとんは仕事を辞めて一家で北海道に引っ越してきた。 初めは言葉と環境の違いで戸惑った事もあったけれど、今は友達もたくさん出来たし、自然がたくさんなこの町が大好きになった。 うちのペンションは有り難い立地のおかげで夏と冬はもちろんの事、一年中忙しい。 普段は学校であんまり手伝えへんけど、休みの日はいつもペンションの手伝いをしていて、僕はこの仕事が大好き。 高校卒業したら、ペンションで働くって決めとるんよ。 『章大~もうそろそろ起こしてこいっ。』 朝食の準備を手伝っていた僕に言うたのは裕にぃ。今年の春に高校を卒業して、今はペンションで働いている。 たまに子供っぽい所もあるんやけど、優しくていつも僕らを見守ってくれている。 『おん。』 僕らって言うたのは僕にはもう1人兄弟が居って、今から起こしに行く所。 寝起きがめっちゃ最悪やねん。 2階に上がって、いくつかあるドアのひとつをノックせずに開けて叫んだ。 『亮?!はよ起きて!』 『…んぅ。なんで、起きなあかんね、ん。…今日にち、ようやろー…。』
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

238人が本棚に入れています
本棚に追加