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『今日はうっちーのおかげで時間短縮出来たんやな(笑)』 僕の顔を見て、裕にぃは片方の口角だけ上げて笑った。 僕は眉毛を八の字にして笑い返した。 『さ、ごはん食べるで。うっちーはごはん食べたん?』 『うん、食べてきた。』 『せやったら、野菜ジュース飲むか?』 『飲む~!』 勝手知ったるうっちーは戸棚からコップを取り出して、裕にぃに渡した。 裕にぃ特製の野菜ジュースはペンションのお客さんにも出していて、好評なんやで。 『裕にぃ?』 『ん?』 『ヒナちゃんとすばるくんはいつ来るん?』 ヒナちゃんとすばるくん言うんは、大阪に居た頃近所に住んでいた幼なじみ。 ヒナちゃんは春から大学生で、すばるくんは古着屋さんで働き始めたって言うてた。 『ヒナはもう少し後みたいやけど、すばるは今日来るで。』 2人は高校生やった去年の夏休みと冬休み、うちのペンションに手伝いに来てくれていた。 『すばるくん今日来るん?!』 ギターのメンテナンスしとかなっ! 『章大?ギターは後。今日からまた急がしなるんやから。』 『…おん。』 大阪に居った頃、2人でバンドの真似ごとみたいなんをやっとったんよ。 すばるくんはめっちゃ歌が上手くて、いろんなトコからお誘いがあったみたいやけど、どれにも応じてへんかった。 久々にすばるくんとセッション出来るーってうきうきした僕の心を裕にぃは見透かしたみたい。
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