深遠へ向かう TUXEDO

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「やぁお久しぶりですね!」 表情から声まで まさに迫真の演技 俺は演技は苦手で、こういうのは品川さんにまかせよう 「まぁ!ご無沙汰しておりました。お元気でしたか?お仕事のほうは?」 さすが品川さん 「仕事はやっと軌道に乗って!おかげでこのお祭り騒ぎです」 男は快活にしゃべる そこでふと俺を見た 「そちらの方は?」 「まぁ、私としたら!主人ですの」 ギョッとする 「ど、どうも……」 動揺で噛んでしまった 打ち合わせのように、なかなかスムーズにいかない 「ところでどうですか。三人であちらで飲むというのは」 男はパーティー会場からでる廊下を指差す 「いいワインでもいただけるなら。でも主人は葡萄ジュースで勘弁なさって」 飲めませんの…… 品川さんは男にそうささやいた 「まぁ、何かあるでしょう、さぁこっちです」 俺達は廊下へと出た 廊下にもちらほらと人影は多く、男女がパーティー会場で出来ないような囁き会うような会話を交わしているのが見えた
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