2人が本棚に入れています
本棚に追加
監視カメラが確認できたが、表面効果を解いた私たちに反応することもないので、男の言ったとおり偽装データの送信がうまくいってるのだろう
さっきの気配の主は本当に何だったのか
確かに何か通ったのだ
しかし今は
5時まで後、20分しかない
魔法陣の展開はシェルターのレベル2を封鎖する壁の表面
急がなければ
私たちはシェルター内を進んだ
少し歩くと、何か向こうから来るのが見えた
シェルター内の赤茶色い照明に段々と姿がハッキリしてくる
あれが話に聞いた生態サンプルというやつだろう
人の形をしたそれに、何か羽のようなものが生えている
文章にすればまるで天使を彷彿とさせるが、決してそんな神々しいものではない
泥を固めて作った人型に血管が通ったような、そんなおぞましい姿をしていた
「出番だ!うまくやれよ時間がない!」
私は後ろにいた男に言う
男はその異形にたじろいだ顔をしていたが、私の声にキッと表情を鋭くして
前へと出た
「それじゃぁ行きます!」
気合いを入れるように声を出して、手に持ったぬいぐるみを前へと突き出す
最初のコメントを投稿しよう!