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別に常日頃からこんなスパイ活動をしているわけではない
そろそろ、見張りの交代の時間か……
魔法陣を書き終わると、手で軽く触れる
微妙に触る力を加減して、発動までの時間を調整する
「交代時間だ」
シャッターの上にあるメガホンから声がする
ガシャンと音がして、シャッターが上がりはじめる
私たちはゆっくり警備員の背後へ近づく
もうすぐだ
5、4、3、2、1……
時間差で魔法陣が発動する
いっても派手なものではない
ただ、風を起こして周囲の木々を揺らすためのものだ
「おつかれさん!」
「ふぅー今日は冷えるなー」
そんな事を言いながら警備員達は入れ代わる
風が木々を揺らすことで、足音は聞こえにくくなる
たとえ足音が二つ余計にあっても気付かれない程度には
よし!予定通りだ
私たちは姿が見えないが、互いに打ち合わせ通り、パーティー会場へと向かったのだった
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