2832人が本棚に入れています
本棚に追加
/1759ページ
俺は玲音を“思い出”なんかに、したくはない。アイツを一人ぼっちになんか、させたくなかった。
だから俺は、玲音と共に、この世界に来る事を決めたんだ。もちろん、記憶を書き換えた奴を、ぶん殴ってやるって事も、ここに来た理由だけどな。
今の玲音は、きっと何を言っても無駄なんだろう。本当は、一緒に戻りたいくせに。
強がったって、感情を隠したって、俺には分かる。
玲音が本当は、人一倍優しい奴だって事。
なぁ……玲音……? お前は、一人なんかじゃないよ。俺が居るだろ。
ジュリアちゃんだって、本当はお前の事、心配してるのかもしれない。
今は何も言えなくていい。でもさ、いつかきっとまた、俺達が笑い合って過ごせる日々が来るよな?
今の俺には、お前みたいに凄い力なんて持っていないし、お前を支えていけるかって不安もある。
でもな、これだけは約束するよ。
「ぜってぇ、一人になんてさせねぇから」
.
最初のコメントを投稿しよう!