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『おかしいのは世界の方なのだ』
と、世界の中心人物になったような事を考える。理不尽なのだ。いつだって。
「なーんか楽しいことなーいんかねー。」
周りに人がいないのを確認してぼそっと呟く。
すぐに通り過ぎる車の雑音にのまれ、殺されて消えていく。
俺の名前は破瓜野 淳太 ハカノ ジュンタと読む。
ちなみにこの名前が最悪な意味を持つことを知ったのはわりかし最近のことである。
それからテストで名前を書く度に子が親を選べない事を呪うようになった。
そんな俺もつい最近高校二年生になり、その後すぐ誕生日を迎えた。 17歳だ。早いね、とよく言われる。
…それくらいしかない。
驚いたのは俺も同じだ。そこまで何もないとは思わないだろ。考えでももうでてこない。
情けなくなってくるじゃないか、特徴が早い生まれと下ネタなんて。
悔しさだって、悲しさだって、たくさんあるが、とにかく情けない。
帰り道はからっという音が聞こえるほどの晴天。
情けなさを全部空の碧に溶かしたい、
そんな気分だ。
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