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できるだけ考えないようにして、一日を過ごした。
馬鹿馬鹿しい。
馬鹿馬鹿しい。
無理にそう考えた。
そして下校中、また携帯電話が鳴った。
あの、ラデッキー行進曲が。
チャチャチャ
チャチャチャ
チャチャッチャー
チャララララッチャチャ。
体が固まる。
『なんでラデッキー行進曲なんて流れるんだよ』
橋本の声が頭で響く。
俺は無意識的に、ケータイを開いた。
⏰│0000/00/00
From│カケゴトゴト
Sub│『お迎え』
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お迎えに行きます。
『カケゴトゴト』会長AKASHI
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「お迎え……?」
後ろに、気配を感じてゆっくりと振り返ると、スーツ姿で戦隊物のお面を被った男がいた。
「な」
なんだ。
と言おうと思ったが、
突然横から同じ格好をした奴に腕を掴まれて、
口に布を押し付けられた。
「ん……ぐ」
ツンとした、鼻をつくにおいに気が遠くなった。
瞼が閉じる直前に見えたのは、けたたましいブレーキ音をさせて止まる、黒いワゴン。
そせれと、さらに増えたお面の人々。
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