村井時緒(18)

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できるだけ考えないようにして、一日を過ごした。 馬鹿馬鹿しい。 馬鹿馬鹿しい。 無理にそう考えた。 そして下校中、また携帯電話が鳴った。 あの、ラデッキー行進曲が。 チャチャチャ チャチャチャ チャチャッチャー チャララララッチャチャ。 体が固まる。 『なんでラデッキー行進曲なんて流れるんだよ』 橋本の声が頭で響く。 俺は無意識的に、ケータイを開いた。 ⏰│0000/00/00 From│カケゴトゴト Sub│『お迎え』 ――――――――――――――― お迎えに行きます。 『カケゴトゴト』会長AKASHI ――――――――――――――― 「お迎え……?」 後ろに、気配を感じてゆっくりと振り返ると、スーツ姿で戦隊物のお面を被った男がいた。 「な」 なんだ。 と言おうと思ったが、 突然横から同じ格好をした奴に腕を掴まれて、 口に布を押し付けられた。 「ん……ぐ」 ツンとした、鼻をつくにおいに気が遠くなった。 瞼が閉じる直前に見えたのは、けたたましいブレーキ音をさせて止まる、黒いワゴン。 そせれと、さらに増えたお面の人々。
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