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頭が痛い。
目が覚めると、首が痛かった。
座った状態で寝てしまったから、頭が下を向いていたようだ。
首を擦りながら顔をあげる。
「は……?」
目の前に広がるのは、バーみたいな場所。
薄暗い店内。シックな音楽。ひしめき合う人。人。人。
俺は上品な作りのふかふかしたソファーに座っていた。
何故、俺はこんなところにいるんだ。
「あ……」
さっき、戦隊物のお面を被った
連中のことを思い出した。
映画でよく見る、シーン。
クロロフォルムを浸した布を嗅がせると気を失う。そんなイメージ。
「おいおい……ベタかよ」
よく見るシーンなだけに、なんだか現実味がなかった。
体をあちこちを触って、自分自身を確認する。
どこにも怪我はないみたいだし、変な所もない。
鞄も俺の左側に鎮座していた。
「大丈夫?」
小さな鈴のような声に驚いた。
声の方向を見ると、小学生くらいの子供がいた。
男か女かすぐには判断つかない中世的な容姿と服装。
「大丈夫?頭痛い?」
「いや……まあ、大丈夫……」
しどろもどろで答えると子供はにっこり笑って俺の横に腰かけた。
足がつかないので、細い足をぷらぷらさせている。
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