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「結果は、『コバルト』です」
「え……え?」
馬鹿みたいに高い声。アヒルの首を締めたみたいな声が漏れた。
「『コバルト』……?
『コバルト』?『ルージュ』は?『ルージュ』はどうした?
『ルージュ』は!?」
喉が裂けて焼けるように熱い。
でも叫んだ。
『ルージュ』を求めて叫んだ。
冷えた声はガラス細工みたいな手を広げて、それを突きつける。ハッキリと、現実を突きつける。
俺の瞳に突き刺さるような青。
「『コバルト』です」
「あ……あああああ」
足元が崩れ落ちる感覚。
重力に逆らえないように体が地面に吸い付いた。
終わった。終わったんだ。終わった終わった。何もかも。
体の震えが止まらない。
馬鹿みたいな震えが止まらない。
震えすぎて体の感覚が麻痺してきた。地面の冷たさも感じない。
終わった。終わった。終わった終わった終わった終わった!!
「ああ……あああああああ……ああああ!!」
「『タケ』さんは『ルージュ』に賭けました。
あなたが欲しいのは『一千万円』
掛け金は、『あなたの」
「あああああああああああ!うあああ!あああああああああああああああああああ!!
……。
……。」
「『ルル』さんは『コバルト』に賭けました。
あなたが欲しいのは『あなたの聴力』
賭けたものは『お祖父様から譲り受けた真剣』
おめでとうございます」
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