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「あ、そうそう。
レスティード魔法学園は全寮制だからね」
「全寮制? そうなんだ」
ロゼの分の紅茶を作り終えたディーナは、紅茶をテーブルに置くと、口を開いた。
「それと、学園長には明日の朝挨拶に行ってね。
学園長は私の知り合いだし、あなたが『始焉の翼』だということも知っているわ。
でも、くれぐれも他の人にはバレないようにね。無用な混乱を招くのはよくないから」
ロゼは静かに頷いた。
ロゼの力は圧倒的だ。それ故に、力を制限せずに行使してしまえば、学園に通う生徒の将来を潰してしまいかねない。
「とりあえず、魔封じの封印式を施すよ、二つくらい」
「それがいいわね。じゃあ最後にこれを渡しておくわね」
ディーナはポケットから白いギルドカードを取り出した。
ギルドカードには、ランクAと刻まれている。
「新しいギルドカード……? 学園用の?」
「そうよ。詳しいことは明日の朝学園長に聞いてちょうだいね」
ニコッと笑った後、ディーナは大きく伸びをした。
「さぁて、明日も早いし、そろそろ寝よう?」
「そうだね。おやすみ、母さん」
「あら、ロゼ一緒に寝る?」
「慎んで遠慮させていただきます」
つれないわねぇとぼやきながら、ディーナは部屋から出ていった。
「さて、俺も部屋へ戻って明日の準備しないとな」
転移! と唱えて、ロゼは部屋から姿を消した。
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