第3章 「才能開花」

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なんとか美桜の監視下から免れる事が出来た流星が教室に着くと、教壇に腰かけて携帯ゲーム機を熱心に操作する恭介の姿があった。流星は息を切らしながら、ゲーム中の彼に声を掛けた。 「はぁ・・・はぁ・・・、恭介・・・、お待たせ・・・」 「よっ!! ・・・その様子じゃあ作戦成功みたいだな?」 恭介の問いかけに、流星は満面の笑みを浮かべてブイサインをやってみせた。携帯ゲーム機をバッグにしまい、恭介は流星を連れてゲームセンターへと向かうべく教室を出た。 流星は歩きながら、恭介から例のゲームについての基礎知識やコツなどを聞いていた。真剣に聞き入る流星の目は、まるで無邪気な少年のようにキラキラ光っていた。 そうこうしているうちに、二人は昨日のゲームセンターの前までやって来ていた。流星は何の躊躇いもなく、恭介と一緒に店に入ろうとした。すると、ほんの一瞬だが美桜らしき人物がこちらを見ているのを目撃した。 (えっ!? 今の・・・、まさか美桜?) 一瞬の出来事にヒヤッとしながらも、流星はそのまま店の中を進んでいった。
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