小賢しいやり方じゃあ

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「それがどうしたんだいキョウスケ」  僕は物憂げにキョウスケを見る。因みに僕は、席に着いて、パラパラ漫画を教室の備品である国語辞典に作成中だ。良いところなんだ、早くどっかに行って欲しい。 「ああ、このチラシを見てくれよ」  キョウスケは汗ばんだシャツの首元に手を突っ込み、4つ折りにした水色の紙を取り出した。  おいおい、胸の谷間から何か取り出すのは怪盗三世の近くで暗躍する某美女で十分だ。しかも汗で変色しているし。  僕は嫌々ながらも紙を開く。 「ナニナニ……『カバディを超えたカバディ、ビバルディ開催!!』だって? 僕の名前と同じじゃないか!」 「興味を持ってくれたみたいだね。これに僕と一緒に出てほしいんだ」  興味あるとは一言も言ってない。 「……ウーン、別に構いはしないけど。何時やるんだい? 運動は得意だけどカバディもビバルディもやったことないよ。練習しないと」 「明日が本番」 「鬱になる情報をアリガトウ」 「大丈夫だよ、なんとかなるって」  キョウスケはふへふへ笑う。それを見た僕は国語辞典を閉じ、立ち上がる。 「行くよキョウスケ」 「どこに行くんだい?」 「特訓」  僕はしっとりしたキョウスケを引きずって、教室を後にした。
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