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道路が花びらでまだら模様になっていた。
先輩はなんでもないようにスタスタ歩く。先輩の長めの髪が柔らかい風にふかれてそよいだ。
心なしか先輩の口角は上がり気味。
自分が恋に落ちたのがいつかと聞かれれば、この時が一番近い答えになる。
だがしかし、この人をどうして好きになったのか、という質問に私は答えられない。
思わず声をかけてしまう、
「あの、先輩は」
「んー…?」
やる気のなさそうな返事
「なんで、美術部に?」
「…気分?」
好きな人のことを悪く言うのは悪いところを含めて好きだからであって、なのでわたしは正直に言うが、てきとうで冷たいのは彼の基本的なスタンスなのだ。
こういうところが好きなのだから、わたしはマゾっ気があるのかもしれない。
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