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「やぁ、祐奈さん。掃除お疲れ様」
台所に着いて暖簾を潜ると、たすき掛け姿の井上が祐奈を出迎えた。
すでに下ごしらえのために食材を切っている井上に対し、やっぱり仕事が早いなと改めて思う。
祐奈も急いでたすきを掛けていると、井上が不思議そうに首を傾げた。
「おや?沖田くんも一緒だったのかい?」
「俺は監視役ですからね」
(源さんと一緒だから必要ないんじゃ…;)
そうツッコミを入れたかったが、後々怖い思いをしそうなので止めた。
そんな祐奈の視線を軽く無視して、沖田が何喰わぬ顔で台所の隅の壁に寄りかかる。
どうやら手伝う気はさらさら無いらしい。
「…で、今日は宴会をするらしいですね」
「宴会好きが多いから、きっと皆も喜ぶよ」
「でも食材足ります?;」
祐奈の頭の中では、毎日の食事の風景が思い起こされる。
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