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雨はやまない。
どちらかといえば強まってないか?風も強いし。
あ、これはビル風か。
車の通りが多い大通りをさけ路地を歩く。
水たまりさえ気をつければ路地は水を跳ねられないし天国だ。
ついでに路地で野良猫に餌をあげるのが俺の趣味だ。
そのためにバックには必ず煮干しが入っている。
あ、湿ってなきゃいいなぁ……煮干し。
『…ォ…ォン…』
何か音はしたが気にはならない。
工場も多いしあれぐらいの音は日常的。
というより雨や車の音で気になることはまずない。
音がしてすぐ強めの風が斜め上から来るのが確認できた。
傘が持ってかれるかと思った。
「ビル風……?か?」
今日は風も強いようだ。体重の軽い俺は風も強敵だ。
『ドッガサガサガサガシャンドカン……』
表現し難いような大きな音が近くでした。
これは気づく気づかないではない。
今まさに視界で起きたことだからだ。
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