“殺し屋への道”

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俺は今、職を失ってから毎日のように通っている職業案内相談所の前にいる。 何故、殺し屋になると決めた俺がこんな場所にいるのか? これなら、いつもの日常と変わらない。 ここに来たのは、勿論Jの指示によるものだ。 職業案内相談所には、かなり人が出入りしている。この不景気でリストラや倒産した会社が増えて失業者の数が年々増えている。 まさか、こいつら殺し屋なのか? あり得ないと思っていても、まだ踏み込んだ事の無い世界だ。俺の常識なんて通用しないだろう。 「立花様、お待たせ致しました」 振り返るとJの姿があった。 前に会った時と同じシルクハットにタキシードだ。気のせいかもしれないが、仮面のデザインが変わっているかもしれない。 「挨拶はいいが、こんな人目の付く場所でお前の格好は目立ち過ぎるだろ」 そんな心配をしてみたが、行き交う人間はJに見向きもしない。 ここでは普通なのか? 「ご心配ありがとうございます。それよりも、早速ご案内をさせて頂きます」
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