“殺し屋への道”

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当たり前だが俺はJが有名だとは知らなかった。俺のあいつへの印象は“素顔を見せない不気味な男”だ。 「そうなのか。で、Jの紹介状だと何かあるのか?」 「はい。本来ならば一ヶ月の見習い期間があるのですが免除されます。それに、支給させて頂く武器もワンランク上を使用出来ます」 「その内容は俺にとって得なんだろうが、ここのシステムを把握していないから良いか悪いか分からない。説明してくれるか?」 女性は持ってきた資料の一枚を取り出し、俺の方に向けて話始めた。 「この殺し屋安定相談所には殺し屋のランクがあります。下からビギナー、ブロンズ、シルバー、ゴールド、ブラックの五階級制度です。この階級は仕事の累計ポイントにより決められます。最初は皆様ビギナーからのスタートになりますが、難易度の高い依頼を数多くこなす事により、短期間でランクアップを目指す事が出来ます」 俺は資料に目を向けるとランクの横にポイントが書かれていた。 ─────────── ブラック…1000 ゴールド…500~999 シルバー…200~499 ブロンズ…50~199 ビギナー…0~49 ─────────── 「要はポイントを集めればいいだけだろ? それより聞きたいんだが、ランクが上がると何の得がある?」 「ランクが上がると報酬額がアップします。そして、より難易度の高い依頼が受けられますし、武器もレベルアップします」 俺は資料を手に取りポイントを見つめる。しかし、全くもってピンとこない。 そもそも、一つの依頼でどれほどのポイントと報酬が貰えるのかが分からないと動く気になれない。
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